全国の神社とパワースポット
石手寺
■概要
愛媛県を代表する観光スポットといえば「道後温泉」です。夏目漱石の小説「坊っちゃん」にも登場した「道後温泉」、そこからすぐの場所にある「石手寺」というパワースポットをご紹介します。
この「石手寺」は、四国八十八か所の51番所にあたる由緒あるお寺です。じつは、このお寺にはお遍路を最初に始めたとされる「衛門三郎」と、大変深い関わり合いがあります。
昔、衛門三郎という豪農が、ここ松山市におりました。あまりの欲深さに人望は薄かったようです。その衛門家にある日、薄汚れた僧が現れ托鉢しようとしたのです。
しかし、三郎は、追い返してしまいました。それからも毎日やってくる僧についに怒り狂い、8日目にはその鉢を8つに叩き割ってしまったそうです。その日以来、僧は三郎の前から姿を消しました。
しかし、その年から不幸が始まったのです。三郎には、8人の息子がいました。その年からなぜか毎年1人ずつ亡くなり、ついに8年目には全員が他界してしまったのです。そんな途方に暮れた三郎の枕元に弘法大師が現れました。そう、何をかくそう、あの時の薄汚れた僧は、弘法大師だったのです。
大変な事をしでかしてしまった自分にようやく気付いた三郎は、家財全てを売り払い、1人弘法大師を追い、許しを求める旅にでかけます。これが、四国巡礼のはじまりとされています。
弘法大師を追って、20回も巡礼する三郎ですがなかなか出合えません。仕方なく、逆回りを試みましたが、結局、徳島のお寺で会えずに病で倒れてしまいます。その枕元にやっと弘法大師が姿を現しました。
三郎は、今までの行いをお詫びしたそうです。今後は、人々の役にたつ人間になりたいと願ったそうです。すると弘法大師は、そのそばにあった小石に「衛門三郎」と書いて左手に握らせましたが、三郎はそのまま息を引き取りました。
時は流れ892年、愛媛の豪族で名高い河野氏に待望の男の子が産まれました。その子は、生まれた時から左手だけをギュッと握りしめ、なかなか手の平を開きません。
そこで、領主は、「安養寺」で願掛けを行いました。願いが通じ、その赤ん坊はやっと手を開きました。なんと、その手の中から「衛門三郎」と書かれた石が出てきたのです。その握られていた石は、「玉の石」とされ、お寺の宝物館に展示されています。また、お寺も「安養寺」から「石手寺」と名前を改めたそうです。
■パワースポットの洞窟と訶梨帝母天堂
6万6000㎡もある広大な敷地内には、貴重な建物が数多くあります。重要文化財に指定されている建物は、本堂・三重塔・護摩堂・訶梨帝母天堂(かりていもてんどう)・鐘楼で仁王門にいたっては国宝です。また、「宝物館」では、実際に赤ん坊が握っていた石「玉の石」も展示されています。
そんな、見所満載の境内は、パワースポットの宝庫です。その中でもこのお寺で1番人気なのが「マントラ洞窟」です。
この洞窟は、胎蔵界と金剛界が現わされています。密教では、この2つの世界が存在します。胎蔵界(たいぞうかい)は、大日如来の理性にあたります。金剛界(こんごうかい)は、大日如来の智慧(ちえ)にあたり、すべての煩悩を打ち砕く強さを表します。その2つの世界が、ここ「石手寺」にある長さ160mの「マントラ洞窟」で体感できるようになっているのです。薄暗いので、入るには勇気はいりますが、貴重な体験が待っています。
もう1つのパワースポットは、訶梨帝母天堂(かりていもてんどう)です。その前に置かれた石「子宝石」が、子宝や安産祈願に良いとされ自由に持ち帰ることが出来ます。
しかし、無事に授かることが出来たら持ち帰った石に産まれたお子さんの生年月日と名前を記入してお返しします。その際、余分に2個の石を添えるのが習わしになっています。
他にも、人間関係がうまくいかない時にお世話になりたい「仕合せの鐘」があります。人とぶつかり合うのではなく、分け与えるようになるパワーが秘められているそうです。
また、三重塔のまわりには、八十八か所全ての砂が置かれています。その砂を「お砂撫で」すると、お遍路したのと同じ功徳になるといったようなありがたいスポットもあります。
■世界にひとつだけの「握り大師」
石手寺にある「握り大師」がお守りがわりとして人気です。弘法大師と衛門三郎の伝説がもとになっており、自分の過ちへの反省や願望成就をこめて「握り大師」を自作します。
願いを込めて左手で土を握るとちょうど合掌したお地蔵様の形に生まれかわるのです。土はカラフルで、トルコブルー・桜色・うぐいす色など、全部で7色から選べます。また、家内安全・七転八倒・合格祈願・良縁成就・子授安産など願い事は人それぞれです。最後に、願いとお寺の刻印を押し、お寺に預けます。
丁寧に焼かれたお地蔵様は、御祈祷を受けてから手元に届けられます。世界にひとつだけの自分オリジナルの大師を願いを込めてみて作ってみてください。
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