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神道の教え
神道には、宗教では不可欠であるはずの教義や教典は存在しません。
『古事記』や『日本書紀』が教典だ、という人もいてますが・・・
『古事記』や『日本書紀』には神話や歴史が書かれているだけで、宗教に最も大事な『神とは何か?』という内容のことは一切書かれていません。
また、神道では、キリスト教やイスラム教などの一神教と違って、神がとても数多く存在しています。
神道では、神話に登場している神がいれば、自然そのものが神でもあり、人物や先祖も神となっています。
神道では、神に関する決まりや定義がほとんどありません。
どんなものであっても、人が神だと思えばそれが神になる、という、とてもゆるい定義なのです。
良くも悪くも、神道には教典や教義がないため、時代に合わせて変化したり、仏教や儒教や道教と一緒になっている部分が数多くあります。
けれど、一貫して変わっていない重要な部分もあります。
それは、自然の恵みや祖先に感謝して、身の回りの霊魂を敬うということ。
日本には四季があり、自然によって数々の穀物が育つ。
そんな自然に感謝し、敬い、お祭りを捧げるのです。
一方、自然は時に恐ろしい表情も人間に見せます。
人は、そんな自然災害をもたらす荒ぶる神を恐れ、鎮魂の祭りを捧げます。
それは自分の祖先に対しても同じことです。
亡くなった祖先が、ずっと我々一族を見守ってくれる。
一族に疫病や事故などの不幸な出来事が起こると、祖先の神さまに祈りを捧げ、お祭りをして、守護をお願いします。
産霊(むすひ)とは?
神道で最も尊いとされるのは、産霊(むすひ)です。
古事記で最初に登場する別天神(ことあまつかみ)3神のうち、
アメノミナカヌシ・タカミムスヒ・カムムスヒ
そのうち2神の名前のなかにある言葉、産霊(むすひ)。
この言葉は、新しい生命力に溢れた命を作る、という意味です。
神道では、新しい生命力の誕生をもっとも歓迎し、そして、生命の繁栄を阻害するもの、つまり産霊の逆を悪と考えます。
穢れとは?
神道の最も尊いこと『産霊』を阻害するものを『穢れ』と言います。
『穢れ』とは、生命力が無くなっていくことです。
『気枯れ』、つまり生命力が枯れた状態のことを指し、死につながるものとして忌み嫌われます。
穢れには、死穢(しえ)と、血穢(けつえ)があります。
具体的に言うと、死そのものを死穢(しえ)と言い、出血のことを血穢(けつえ)と言います。
死穢れは伝染すると考えられていたので、身内から死者を出した家族のものは、自分の穢れを他人に移さないように引き込まないといけないとされていました。
血穢とは、出産と生理のことです。出産にも出血が付いてくるので、とても忌み嫌われていました。
現代と違い、出産は死に直結してしまう大仕事でもありました。
また、穢れは犯罪の原因ともされていました。
神道では、人は本来、罪を犯すことを好まない、と考えます。
悪い行いをしたり、罪を犯すのは気が枯れた人なのです。
禊と祓いとは?
穢れを清めることを禊、または祓いと言います。
神道では、人が、たとえどれだけ穢れても、禊、祓いをすれば、もとの清い状態に戻ることができる、と考えます。
禊と祓いには、水による祓い、火による祓い、塩による祓い、幣による祓い、などがあります。