全国の神社とパワースポット
富来神社
■概要
「八坂社・富来神社」は、仏の里として知られる大分県北東部の「国東(くにさき)半島」に所在するパワースポットで宝くじの攻略本でも紹介されるほど宝くじマニアを中心に人気が高く、高額当選祈願の定番として有名です。富来港から文殊仙寺まで約10キロにわたって延びる「開運ロードとみくじ」沿いの、ちょうど中ほどに所在します。
四季折々の景観と苔むした石仏、ひっそりと静まり返った古刹の佇まいが人気の国東半島は、それ自体が標高721メートルの「両子山(ふたごやま)」の峰々から成る火山帯で、日本の秘境100選にも選定されている神秘的なところです。
周辺は田園風景が広がる片田舎の農村といった風情ですが、ここは奈良時代から平安時代にかけて、大乗仏教の天台宗と、神道の宇佐八幡信仰のハイブリッドである「六郷満山(ろくごうまんざん)」信仰が栄えた地で、かつては奈良の都にも引けを取らないほどの賑わいだったと言い伝えられています。
そんなかつての盛栄ぶりも地元大分県民でさえ知る人が少ないほど歴史に埋もれていますが、国東には奈良時代に創建された寺院が内陸部を中心に28か所、さらに総数にして69,000体というおびただしい数の仏像が、わずかに当時の名残を留めています。
そんな大分県の原風景とも言える観光名所・国東半島にあって、特に金運アップにご利益があると言われているのが「八坂社・富来神社」です。
■由緒
社伝によれば、創祀から1,200年の歴史もつ「八坂社」の創建は、959年(天徳3年)・村上天皇の時代にまでさかのぼります。
薩摩国の武将である鎌田政広(かまたまさひろ)が、播磨の国(現在の兵庫県姫路市)に鎮座する総本社「廣峯神社(ひろみねじんじゃ)」から神仏習合の神「牛頭天王(ごずてんのう)」を勧請してこの地にお祀りしたのが始まりとされ、通りに面した一の鳥居には「牛頭宮」の文字が、続く二の鳥居には「八坂神社」の石額が掲げられています。
「富来神社」はもともと「八坂社」の末社のひとつで、地名の由来にもなっている由緒ある社です。明治維新に伴う「神仏判然令」以来、「八坂社」が富来の集落を守護する総社となりましたが「富が来る」という縁起の良い名前が評判になったこともり、「富来神社」の呼び名の方が通りやすくなっています。
八坂社は素戔嗚尊を祀る子孫繁栄の神さまとして有名ですが、近年では特に高額宝くじの当選に霊験あらたかな「八坂社・富来神社」として、地元民や参拝客の崇敬を集めています。
■御祭神
八坂社・富来神社には、主祭神の素戔嗚尊(すさのおのみこと)を中心に、23柱を合わせてお祀りしています。素戔嗚尊は「日本書紀」では伊弉諾尊と伊弉冉尊(いざなぎ・いざなみ)の間に生まれたとされ、八岐大蛇(やまたのおろち)退治のほか、日本で初めて結婚した神さまとしても有名です。
素戔嗚尊が詠んだ『八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を』和歌は、家庭を持った夫の素直な喜びと妻への愛情を表現したものと言われています。
■社殿
社殿内部に残された棟札の記録によれば、八坂社の建物は幕末の1843年(天保13年)より3年をかけて建設されたことが分かっています。
また、切妻造り桟瓦葺の神門は1846年(弘化3年)に建立されたもので、神門手前の小さな石造りの太鼓橋は1724年(享保9年)の作であり社殿の随所に見られる彫刻は、完成までに10年を要したといわれる凝った造りで同じ江戸末期のものです。
八坂社の拝殿は入母屋(いりもや)平入りの瓦葺きで、内部はプチミュージアムのように絵馬や記帳簿、新聞スクラップなどが所狭しと並んでいます。本殿は優美な流造(ながれづくり)の銅板葺きです。
境内は、順路に沿って見どころを巡るようになっています。境内には「厳島社」「天満社」「稲荷社」「金毘羅社」など、8つの末社が鎮座し、神門の扉をはじめ、社殿の天井など、いたるところに施された精密な美術彫刻は、天女や唐獅子、十二支などがモチーフで、たいへん見応えがあります。御本殿では「二拝二拍手一拝」が作法となっています。
順路の最後にしっかり入っている「開運とみくじ みやげ店」は地元の方が運営する「ギフトショップ」で、どこか懐かしい縁起物や開運グッズが整然と並んでいます。月曜日から金曜日までお休みですが、週末には温かいお茶でもてなしてくれます。
その昔、全国各地から多くの旅人がこの地を訪れては、一心に修行したというエピソードに当時を思い描きつつ、ゆっくりお茶をいただくのもおすすめです。
■境内の見どころ
八坂社から東参道にある富来神社の鳥居をくぐると、社殿の前に控えるのが、開運マスコットとして人気の「運玉唐獅子」&「育メン唐獅子」です。唐獅子の足元にある運玉に思いを込めて触れるだけで、財宝祈願・子孫繁栄・祈願成就などに霊験があります。
一見すると普通の狛犬のようですが、案内板によれば本殿の東側で3匹の子供たちの世話をしている育メンが雄の獅子で西側で運玉を持つ方が雌の獅子です。さらりと意識高い系の狛犬であることから、夫婦そろって参拝すれば「家内安全」にも効き目がありそうです。
実際に宝くじを買ってから祈願することで、さらにご利益が上がるといわれている富来神社ですが、もしハズレてしまった時は、同じ開運ロードにある「萬弘寺」の「念夢之碑」にお祈りをすれば、次は当たると言われているので大丈夫です。夢を叶える最大の秘訣は「決して諦めないこと」でしょう。
|
口コミを書く