全国の神社とパワースポット
龍宮神社
■概要
鹿児島県指宿市にある龍宮神社は、薩摩半島最南端、長崎鼻に鎮座する海沿いにある小さな神社です。長崎鼻は、古くから「浦島太郎伝説発祥の地」とされており、この地から浦島太郎が龍宮城へ出発したのではないかと言われています。
その背景には、ここ長崎鼻は夏になると多くの海ガメが産卵場所として訪れることで有名ということがあります。海ガメは、昔から海の守り神として人々に大切にされてきたのでその所以もあったのではないかと言われています。
その長崎鼻にある龍宮神社は、とてもコンパクトな神社ですがインパクトが絶大です。
もともとは木造でしたが、海風にさらされる立地のため丈夫なコンクリート造りに平成23年6月に改装され現在の様式に様変わりしました。
鹿児島県指宿の南国風土にふさわしい亜熱帯地方特有の植物に囲まれた異国情緒あふれる神社です。
龍宮神社は、その名のとおり龍宮城のような全国的にも大変珍しいつくりの神社で琉球王国の首里城を連想させるような鮮やかな朱色をしています。というのも、浦島太郎の話には、新しい伝説として海で難破した浦島太郎を琉球の人々が救ってくれたということが書き記された書物が見つかっているのです。
そのため、実は浦島太郎が向かった先は、龍宮ではなく琉球だという説もあります。
■縁結びのパワースポット
龍宮神社には、富玉姫(トヨタマヒメ)が祀られています。富玉姫とは、乙姫様のことで海の神である綿津見の神(ワタツミノカミ)の娘としても有名です。そのため、龍宮神社は、海運祈願としての御利益があります。
しかし、もう1つ、浦島太郎と乙姫様の出会いから縁結びのパワースポットとしての人気を集めています。富玉姫(乙姫様)には、浦島太郎伝説とは他にもう1つの神話がとても有名です。
その神話は、浦島太郎のお話の元になったのではないかと言われている日本の神話で「海幸彦と山幸彦」のお話になります。この神話は、古事記や日本書紀でも伝えられている有名なお話です。
天照大神(アマテラスオオミカミ)の命をうけ地上に降り立った邇邇芸命「ニニギノミコト」が木花佐久夜比売「コノハナサクヤヒメ」と結婚して産まれた兄弟のお話です。
兄「ホデリノミコト」は海で漁をして生活していたので「海幸彦(うみさちひこ)」、弟「ホオリノミコト」は山で猟をして生活していたので「山幸彦(やまさちみこ)」と呼ばれていました。
ある日、弟の「山幸彦」がお互いの道具を交換してみようと提案しました。お互い弓矢と釣り針を交換してみましたが思うように獲れず、挙句の果て弟の「山幸彦」は、兄の大事な釣り針を海で失くしてしまったのです。
それに激怒した兄に色々な方法で償うのですが見つけるまで許してもらえず、弟の「山幸彦」が海岸で途方に暮れているとそこで出会った老人に「海の国へ行きなさい」と教えられます。
「山幸彦」は、教えられたまま海に船を出し海の神である「綿津見の神(ワタツノカミ)」の宮殿にたどり着きました。そこで、乙姫様とされる「豊玉姫」と出会い、豊玉姫の一目惚れによりその後二人は結婚します。
これが、豊玉姫が縁結びの神様として祀られる所以です。
その後、陸が恋しくなった山幸彦の願いを叶える海神の綿津見の神は、山幸彦が戻る際に鯛の口の中から失くしていた兄の針を探し出して持たせてあげています。
その後、陸で豊玉姫と山幸彦との間に天津日高日子波限建鵜茸草萱不合命(アマツヒコヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコ)という子供が産まれました。その子と豊玉姫の妹「玉依姫(タマヨリヒメ)」が結婚し、4人の子供を産みます。
その4番目の子は、若御毛沼命(ワカミケヌノミコト)といい、後に初代天皇「神武天皇」になられるのです。
■主役は海ガメ
このような壮大なロマンが隠された龍宮神社には、浦島太郎の石像があります。でもその主役は、実は浦島太郎ではなく海ガメです。お参りする際、女性は右に2回、男性は左に2回周ってから海ガメを触り、祈願すると願いが叶えられると言われています。
また、龍宮神社では、願いは絵馬ではなく貝殻に書きしめし、壺に収めると願いが叶うとも言われており、願い事が詰まった貝がびっしり詰まった貝塚を見ることができます。
御朱印は境内ではもらうことは出来ませんが、隣のお土産屋さんでもらうことが出来るので忘れないようにしましょう。
龍宮神社の境内からは、薩摩富士と呼ばれる標高924メートルの開聞岳(かいもんだけ)が海越しに見ることができます。
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